心が叫びたがってるんだ。
アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』を見ました。
公開が15年秋、パッケージの発売が16年春なので、とても今更ですね。
ずっと見たい見たいとは言ってたんですけど、中々きっかけや決め手がなく。
最近水瀬いのりさんのオタクになって、この作品は確実に水瀬さんにとって一つのターニングポイントになってるであろう作品だから見なければ、というか見たい。となりようやくの視聴。
どうやって見るか悩んだんですけど、イベント券入ってたのもあってBDの中古相場が結構お安めだったので中古でBD買いました。この券商法、リアルタイムで追う人間からするとゴミでしかないですけど、後から追う人からすると中古で安く手に入ったりするので悪くないですよね。ゴミな事に変わりはないんですけど。
あと最近のAniplex作品はBDだと本編の音が48KHz/24bitで収録されてるのもいいですよね。買う価値を感じます。
さて感想。
率直に言って、普通にいい映画でした。面白かったです。
後半はちょっと感動しました。言葉のちから。
でも色々綺麗にまとまりすぎてた感じはするかな。あんまり余韻が残る感じではなかったし、続きが気になる…みたいなのもなかった。そこは残念なような、単発の映画としては逆にスッキリできたのでよかったような、難しいところ。
とにかく、対象年齢が中高生位…かな?と感じたので、所々入り込めない所はあったかな。公開時に見といた方がもっと感情移入できてたかもしれない。
一番楽しみにしてた声優陣の演技、すごくよかったです。
見てて色々気になる事がなかった。それだけでもう十分ですよね。
どちらかと言うと生っぽい、リアル寄りな雰囲気の作品なので、最近キャラクター寄りな作品ばっかり見てた自分にとってはどのシーンをとっても凄く新鮮で、やっぱプロの声優さんってすごいな…と改めて思わされました。
個人的MVPは坂上拓実役の内山昂輝さん。
まっったく飾ってない感じ。ちょっと素っ気ない感じもするんだけど、凄く生を感じて終始すごいなあって思ってました。自分が女の子だったら恋してた。
あとはやっぱり仁藤菜月役の雨宮さん。
この人ほんとバケモンだなって話を色んな人とよくするんですけど、改めてこの人ほんとバケモンだなって感じた。
それこそ最近、このすばのアクア役だったりでちょっと崩した感じが目立ってるイメージあるんですけど、この人が凄いのってこういうリアルさを求められる役もちゃんとこなせる所だよなぁ、と再認識させられた感じ。
雨宮さん、ほんと人によってイメージ違いそうですよね。
『この人と言えばこういう役柄』みたいなイメージもないし、ほんとバケモン…。
そして我らが水瀬いのりさん。
演じてるのは成瀬順ちゃんなんですけど、この順ちゃん、『どういう風に話すんだろう、息をするんだろう』って僕には想像する段階で脳が停止してしまうくらい難しい役柄なんですよね。まず声を出せない、って時点で分からないし、声を発すると苦しくなる、それを分かってても声を出そうとする時、どんな風に声を出すのか…なんてまったく想像できない。
でもそんな子の気持ちが、水瀬さんの演技を通してしっかり伝わってくるんですよ。
きっと僕が文字だけでこの作品に触れても、順ちゃんの苦しさ、伝えたいことの殆どを理解できなかったと思うんだけど、水瀬さんの演技を通すと理解できるんですよ。
そんなキャラクターを汲み取れてしまうのもすごいし、それを表現できちゃうのも凄いし、改めて水瀬いのりさんすごい。
すごすぎてすごいしか書けない。残念ながら今の僕にはこの凄さを言葉にすることではできないけど、心動かされたのだけは本当なんだわ。
あと、この作品正直見てて少し寒く感じてしまうシーン多いと思うんですよね。大人目線だと特に。
でもそんなシーンを違和感なく見れるのって、やっぱり声優さんの演技の力が大きいと思ってて。
例として上げるなら交流会の出し物を決めるクラス会のシーン。
揉め合う拓実と大樹と樹を止めるべく、順が歌にのせて言葉を発す大事な場面。
『不安はあるけど、きっとできる』
言葉通りちょっと揺れ動いてるであろう気持ちを、うまく表現してるなあと。
ちょっとオーバー気味というか、そういう所が凄く良かったです。すっーと順ちゃんの気持ちが理解できた感じでしたね、心をぐっと掴まれました。
他にもラスト近くの廃墟のシーンだったり、熱演のお陰で感情移入できたシーンは多かったですね。
こういう気持ちにしてくれる作品に出会えると、やっぱり声優さんってすごいな、とか好きだな、って気持ちが強くなりますね。
久々にそんなことを強く思えた作品でした。
気が向いたら実写版も見てみようと思います。